なでしこの固さ、メディアについての苦言、女子スポーツの美しさ

下馬評がそれほど高くなかったけれど、なでしこは見事準優勝。
素晴らしいワールドカップでした。

メディアがよく言う女性版バルサのパス回しはそれほど見られなかったが、男子にない驚異的な我慢強さ、驚異的な冷静さ、驚異的なメンタリティで決勝に進出。

でも決勝は明らかに固かったですよね。

5万人が埋め尽くすスタジアム、アウェイ、しかもそれがワールドカップ決勝。

大会前に出来るだけの準備はするはずですが、さすがにそういう環境への精神的な対応までは準備できません。

最初の2得点はいずれも左サイドを攻められて、セットプレーからグラウンダーのボールを入れられて失点。

小さななでしこ相手にグラウンダーを入れるという意外性もあったけれど、それよりもなによりも固かったせいで足が動かず、簡単に追いぬかれて体を前に入れられてしまいました。

もともとスピードのあるアメリカですが、なでしこの足が全く動かなかったせいで、この試合は恐ろしく早く見えました。

サッカーだからサポーターの影響は大きいはずですよね。
実力の差、アメリカが強すぎる、という評が多いけれど、決勝で完全アウェイでなでしこにしては珍しく固かったというのが大敗の原因かなと思います。


それでもまあ、ブラジルワールドカップで日本男子が予選リーグでガチガチだったことに比べれば、4点差から立ち直って試合を作ったなでしこはさすがです。

鮫島は足をつっていました。
4点ビハインドから足がつるまで走るなんてなかなかできることじゃないです。
自分のためだけなら、たぶんこんなに走れない。
なでしこの献身性の象徴みたいなシーンだったと思います。


あと、なでしこに限らずいずれの試合も美しかった。


唾を吐かないし、罵り合わないし、ケツをなでたり股間を触ったりしない。
噛み付かない、顔を踏まない、頭突しない。

男子のガキっぷりと、女子の大人っぷり・・・。

この試合を見ながら、各国の議席の半分は女性にすべきだと本気で思いました。
憲法ではなく国際法で。

絶対争いが減りますから。



メディアについては同じ苦言。

相変わらず、他国が日本についてどう書いているかを和訳した記事ばかり。

アメリカの記事が「澤はレジェンドだ」とか、イングランドの記事が 「宮間はフリーキックの名手」だとか、カナダの記事が「鮫ちゃんかわいい」だとか・・・知ってる。
そんなの知ってるから。

他国の選手の情報、チームの特徴を伝えて、なでしこはどう戦うべきかそれぞれが考えを述べる。
そういう記事はいつになったら出てくるんだろうか。

まったくサッカーを強くさせたいという意気込みが感じられなくて残念すぎる。

僕の目を鍛えて欲しい。

野球脳と同じくらいに、日本人のサッカー脳のレベルを上げて欲しい。


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