包丁が折れたことで始まった包丁探しの旅。
調べてみて、ようやく輪郭がぼんやりわかってきたのでメモも兼ねて書きます。
まず折れた次の日に注文したのが、関孫六の6000ST。
折れた5000STの一つ上のランクになります。
でも使ってみたらバランスが悪くて使いにくい。
切れ味も、まあ普通。
これじゃ料理が楽しくない。
というわけで、もう一度しっかり調べて買ったのがコレ。
G.SakaiのVG-1シリーズ、「空」
非常によく切れます。
普通の家庭で育ってきた人にとっては、新しい体験になるくらい切れます。
それでいて送料込みで6500円くらい。
ホームセンターの安包丁にくらべれば倍くらいしますが、間違って割ったり、大きく欠けたりしないかぎりは10年使えるものだと考えれば、これはかなりのリーズナブル。
ちなみに、リーズナブル、とは、リーズン(理由)からきていて、つまり合理的な値段、納得の値段だということを意味していて、決してクソ安いという意味ではないです。
上の6000STは重心が後ろにありすぎて、まったくオススメできません。
下がオススメの「空」
使ってみて、ああ、使いやすいってこういうことなんだな、と。
刃に指を当てると、そんなに刃が立っている感じはしないのですが、産毛なんかは気持ちよくなるくらいスーッと剃れます。
6000STに比べて刃が硬いんでしょうね。
逆に6000STは刃が柔らかいので、刃を立てないと切れない。
なので、指で触れるとものすごい切れそうなのですが、刃が立っている分だけまな板にあたった時に刃が丸くなりやすく、切れ味が直ぐに落ちてしまいます。
直ぐに、といっても、これだって5000円くらいする包丁ですから、それなりには切れますけどね。
さて、包丁選びについて。
まず、僕は洗ったあとにしっかり吹いてから仕舞う、なんてことはできそうもないので、錆びない金属、つまりステンレス包丁しか選択肢がない。
その中で、使いやすくてリーズナブルなもの、というテーマでいきます。
包丁に求められるのは。。。
まずよく切れること。
そして、その切れ味が長続きすること。
さらに、切れなくなった時に研ぎやすいこと。
そのニーズを満たしたステンレス系金属を使っている包丁を探せばいいわけです。
切れ味というのは、ほぼ金属の硬さに比例するらしく、その硬さは「ロックウェル硬さ:HR」という尺度で表されます。
HRC50とかHRC55とか。
数字の大きいほうが硬い、つまりよく切れる金属です。
しかし、硬すぎると研ぎにくいですし、キンキンに研いだ時に脆く欠けやす事になってしまいます。
硬いほうが切れるのは、まあすんなり理解できます。
しかし、じゃあ硬くてよくキレて、しかも研ぎやすくて、モロく欠けないっていうのはどういうことか、ということになりますよね。
あまり理解できなかったのですが、「空」を使ってみて「ああ、そういうことか」と感覚的に分かった例は、シャープペンの芯です。
100均のクソ安いシャープペンは、硬くて書きにくいくせに、折れやすくて、つるつるしてますよね。
逆に有名メーカーの芯は、粘りがあるのに、パリっとしていて、書きやすい。
あんな感じの違い。
だいたいHRC58~60くらいがいい包丁向きだそうです。
では、包丁向きのよいステンレス系金属を紹介。
この金属を使っている包丁は、切れ味については問題ないでしょう。
V金1号
これは僕が買った空の金属です。
武生製鉄が生産している金属だそうです。
VG1のGはゴールドかな。
硬くて、それでいて僕みたいな一般の人でも練習すれば研ぎやすいレベル。
普通の家庭で、これで物足りなくなることはないと思います。
V金10号
武生製鉄のVG1の、ひとつ上のランクの金属。
VG1よりも切ることや耐久性に関してはいろいろいいらしい。
けど、VG1に比べるとやや研ぎにくい。
と言っても、いわゆる硬いステンレスのなかでは研ぎやすい方らしいです。
いい包丁を探すと必ずこの金属にあたります。
例えばコレ、FV10
銀紙3号
日立製鋼が生産している金属です。
もちろん1号とか2号とかあるんでしょうけど、いい包丁となると3号らしいです。
ATS-34
これも日立製鋼で、銀紙3号を改良したもの。
武生製鉄のVG1に対するVG10みたいに、銀紙3号に対してATS-34みたいなもんかな、って思ってます。
これがよさそう。
G.SAKAIの空の三徳はとりあえず買って後悔はしないんじゃないでしょうか。
これで物足りなくなったら、牛刀とかペティとか、それぞれ専門性の高い包丁はより高いものを選んでいけばいいのかな、と。
追記
アマゾンの包丁をスペックだけでおすすめする試み
http://skylures.blogspot.jp/2015/02/amazon.html